キナバル山 スペッシャルU


 
4番目のシェルター、ラヤンラヤン小屋は、この登山道を管理しているスタッフたちの建物があるほか、庵は二棟。ここでたいていトレッカーたちは昼飯にする。写真は公園の入山受付でもらった弁当。右からチキンの唐揚げ、クリームビスケット2個、モンキーバナナ2本、サンドイッチ2片、そして500ミリリットルのミネラルウォーターである。。このころガスが漂い、寒く感じたので重ね着して立ち食いをした。唐揚げがおいしかった。ゴミ箱は、シエルターごとにある。動物に荒らされないようにゴミ箱は金網で包囲されている。ゴミはなんと人手で回収している。
立食でランチを食っていたら、足元にチョコチョコとリスが現れた。多くのトレッカーがエサをやるのか、おこぼれをもらうことに慣れたのか、数十センチの安全距離を置いて、動きまわる。とてもかわいい。あとでもっと大きめのリスにも出会った。ついでに言えば、この山には大蛇はいるが、どう猛な大型動物はいないようだ。しかし、豊かな自然を残しており、動物、植物の個体種は実に多彩である。そのことは登山口近くの管理本部二階に、それらの詳細がわかる展示室があることで知ることができる。
ラヤンラヤン小屋からあとの登りは、次第にジャングルの様相が姿を変えて行き、樹木が低く
なってくる。足元も岩場が多くなってくる。雨で濡れていれば、スリップしやすくなる。歩き出して5分、マシロへの分岐がある。キナバル山の登山口は、チンポーン・サイトからとマシロ・サイトと合わせて2カ所あるのだ。マシロ・リゾートから、ここまでは4キロメートル。この道は自然研究路という性格を強めている。いずれは、この道も歩いてみたいものだが、いまのところマイナーな登山路らしい。
岩場が増えてくる。ところによって梯子がつく。しかし、道脇に必ず木の柵が整備されているので、
危険な印象は全然ない。樹木の高さが低くなり、空が開けてくる。曇り空であったが、ジャンク゜ルを抜けつつあることが実感できる。従って、登山道は三つの顔がある。まずジャングルの中の道、高度とともに次第に低木と岩場の道、そして翌日登頂にかかる部分から、まったくの岩場、つまり大岩盤と変化してくる。三つの顔は、それぞれに興味深く、楽しませてくれる。
最初のワラス小屋の脇を通り過ぎると、すぐに目指すラバン・ラタ・レストハウスが見えてくる。黄色の屋根、3階建ての立派な建物。54人を収容できる堂々たる小屋。レストラン、電話、シャワー、トイレ、ベッドが整備されている。ベッドは4人用、6人用の部屋に二段ペッドで用意されており、夜間の暖房のために各室にパネルヒーターもある。建物の南北にベランダがあり、夕日を眺めたり、くつろいだりすることができる。この周辺には、ほかに合わせて4カ所の小屋がある。但し、食事の用意ができるのは、ラバン・ラタ小屋だけ。他の小屋の宿泊者は、ここに食事時に集まってくる。


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