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赤ん坊が予期せぬときに生まれた。親は非情なもので、浮かんでいる我が子をパクリ飲み込んでしまう。それでショップで写真のようなネットを買ってきた。こどもの工作みたいなチャチの奴。SUDO製。使い勝手が悪い。しばらく使ったあとではスーパーで売って豆腐を入れるプラケースに変えた。透明な奴にクギで小さな穴をたくさん開けて、端を針金で水槽の縁によせた。子どもの様子がよく見えて、左の市販品よりよくなった。
生まれた赤ん坊のグッピーはあまりにも小さくて写真に撮れない。いつ生まれたか、立ち会っていないので、数が正確につかめない。いっぱいいる。いっぱい生まれるということは、いっぱい死ぬということである。生き物は、そうして子孫生存の道を開いてきた。しかし、新しい命はうれしい。餌は成魚にやっているものを、スリコギで細かくすってやる。ちゃんと飛びつくように食べるから安心した。量はひとさし指の先に付いた粉である。この写真は産卵孵化ネットの中にいるのを写したものである。
えらいもので、日々成長する。体の色が透明感があったのに,次第に黒ずんできた。特に頭部が黒くなったので、魚らしい姿になっていく。成魚のいる水槽に放てば、食べられてしまうだろう。いっしょにする時期の見極めが難しい。2週間後、プラスチックケースの底に赤ん坊一体が沈んで死んでいた。成魚に食べられたもの以外では、確認された最初の死体である。残念無念。写真はなぜかネットの傍を遊弋するのが好きな成魚たちである。
しかし、なんと二匹目のメス夜おそく、子供を産んだ。寝るまえに水槽の蛍光灯を消してやるのだが、水槽を点検していたら、うれしいことにちっちゃな子が水槽の縁に漂うように泳いでいるではないか。おおあわててでタモで掬いあげた。6尾を先に生まれた子のプラケースに移した。全部で十数匹となった。多産豊穣を喜ぶべし、だが、何匹が成魚になるか,楽しみ。
左のは、熱帯魚の餌。テトラミン。いままでのよりも品質がよさそう。餌の栄養価によって魚の体色が違うというから、それならやってみようかと。前の餌もかなり残っているので、併用しよう。それにしても大きな悩みは、水槽のガラスの内側にあまりにも早く水コケがつくことだ。この調子だと,毎週掃除と水替えをしなくてはならない。なんとかならないか。
飼い出して最初に生まれた子どものうち、育ったのは、たった1匹。左のピントがボケたグッピーがそれである。一番仔と二番仔で、あわせて40匹は生まれたのに、この数字。育て方が悪いにしろ、魚の固有の生存率にしろ、実に育つ率が低い。たくさんの仔が、生後3−4週間のころ、一夜にして死んだときは、言い知れぬ恐怖を感じた。一体、何が起きたんだ??
こどもの死について分からぬことがあるが、親のグッピーもとうとう1匹死んだ。合計6匹の親のうち、初めての犠牲。魚の本によると、一年くらいでグッピーは死ぬそうだ。その点、川の鮎や海のイカと同じなのだ。寿命なら仕方ない。買ったときに、すでに何ヶ月生きていたのか、其れがわからない。右の写真は逝去を悼んで撮ったメスである。上の写真の親かどうか、まだ判別がきかない。仔の体の特徴が現れれば、わかるだろう。
水槽の彩りを美しくしたいと思い、ショップの店頭を物色するが、大型魚はダメ、収容できない、混泳に向かないものもいる、値が高いのも手が出ない。いろいろ見たあと、左の写真、グロー・ライト・テトラを10匹購入。440円と安いし、ネオン・テトラの親戚みたい。それに赤い色合いが群泳しているとき、すばらしい。写真はポリ袋のまま水槽につけて水温の調整中のものだ。
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